木の椅子|家具工房・葉音

木の椅子

椅子は、私たちの体に最も近い家具です。直接触れ、体を預けるものだからこそ、座り心地や肌触り、丈夫さ、そして安定感を大切にしています。

また、椅子は背後から見られることの多い家具でもあります。そのため、後ろ姿の美しさにもこだわり、どこから見ても調和のとれたデザインを心がけています。

葉音の木の椅子は、座板にも無垢の木を使用。長時間座ってもお尻が痛くなりにくいよう、独自の形状で座ぐりを施しています。さらに、自然と良い姿勢がとれるように、背もたれや笠木(かさぎ)の高さや角度も細かく調整し、心地よく体を支える座りやすい椅子を追求しています。

山梨県北杜市 木の家具とガラスの工房・葉音

ダイニングチェア

リラックスチェア

ベンチ

スツール

葉音の木の椅子について

・座面について

葉音の椅子は、すべて無垢の板座で製作しています。
「板の椅子はお尻が痛くなりそう」と思われがちですが、ショールームで実際にお座りいただいたお客様からは、
「板の硬さを感じず、座り心地がとても良い」という声を多くいただきます。

その理由は、座面に施している「座ぐり」と呼ばれる彫り加工にあります。
四方反り鉋などで立体的に彫り込むことで、臀部全体に体圧が分散され、座骨への負担を和らげる形状を追求しています。

また、前縁(座面の手前側)をなだらかに削り落とし、大腿部下への圧迫を軽減。血流を妨げない形状としています。
板座は滑りやすい傾向がありますが、葉音の椅子は座面にわずかな後傾をつけ、さらに座ぐりの形状によって、お尻が前にずれにくい安定感を実現しています。

・背もたれについて

背もたれには、背中全体を支えるタイプと、腰をしっかり支える低めの「笠木(かさぎ)」タイプがあります。

どちらも、座面との角度や腰椎を自然に支える形状にこだわり、自然な姿勢で座れるように設計。
長時間座っても疲れにくく、腰への負担を和らげる椅子を目指しています。

一般的に、背もたれの角度が直角に近かったり、直線的すぎると、姿勢が安定せず前かがみになりやすくなります。
その結果、腰にクッションを当てたくなる――そんな経験は誰にでもあるはずです。
葉音の椅子は、腰部をしっかり後ろから支える構造で、背骨の自然なカーブを保ち、正しい姿勢で安定して座れるよう工夫されています。

・シート高さについて

ダイニングチェアやデスクチェアの座面の高さ(SH)は、ショールームで実際にお試しいただきながら決めています。
かかとがしっかり床につき、大腿部下に圧迫がないかを確認し、最適な高さをご提案します。

ダイニングテーブルも一緒にご注文いただく場合は、椅子の高さをもとに、テーブルの適切な高さもバランスよく設定いたします。

・構造と耐久性について

葉音の椅子は、金具を使わず、伝統的な木組み技法で精密に組み上げています。
たとえば座面には、ホゾを貫通させ、楔(くさび)を打ち込んで固定する工法を採用。
ホゾは穴よりやや太めに加工し、熱で収縮させてから「木殺し」を施し、しっかり組み上げることで、
冬の乾燥や長年の使用でも緩まない堅牢な構造になっています。

一生モノの家具として、そして代々受け継いでいただける家具となるよう一脚一脚丁寧に製作しています。