ウバユリ
2020年08月11日

“植えた覚えがないのに生えている”何かを庭で見つけたら、
すぐ抜かないでいるのも面白いかも知れません。
先日庭に、植えたはずのない、大きな葉をつけた草を見つけて気にかけていると、
茎が伸び1mの高さになって、花が咲いてからウバユリだと分かりました。
少し潰れたように咲いて、ユリであるのに咲き誇らない。
薄緑がかった花色が林に良く溶け込んでいます。
なぜ庭に生えてきたのか?
記憶を辿ると数年前に森でウバユリの乾燥した果実を見つけ、
庭に持ってきて、子どもと一緒にぶんぶん振って中の種を出してみたり、
薄ぺらい種を吹きとばしながら歩いたりしたことがありました。
(2013年のことで、写真が残っていた。
7年も経っている。とても軽くて、3つに裂けた形が面白い)
ウバユリの開花や結実は一生に1回だけで、
芽吹きから花が咲くようになるまでに6~8年かかるそうです。
そして一度咲いたら根本からすべて枯れてしまう。
思いがけないところに生えてきたからといって、邪険にしないでよかった。
今の季節森に入ると、群生するウバユリによく出会えます。
ひとつの実の中に500個ほどの種が入っているそうなので、今年この花の果実の種は
また風に運ばれ、あるいは人に興味を持たれて果実がぶんぶん振られ、
7年後、どこかで咲くかもしれません。