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ギャラリー増築・セルフビルド


小淵沢に葉音をオープンして16年。
お客様にゆったりと作品をご覧いただけるよう、少しギャラリーを増築いたしました。
現在の建物は上棟までは大工さん、屋根を葺くところからはセルフビルドで建てたものです。
今回は基礎以外、木工事構造部分の刻みからのセルフビルド。
2018年末の着工から完成まで5か月間の記録です。 

  

葉音の新しいショールーム
 

基礎工事の根掘りの様子
いよいよ基礎工事が始まりました!

小淵沢に移り住んでからお付き合いのある大泉町の八ヶ岳建築工房さんに基礎工事をお願いしました。
寒冷地仕様のしっかり深さのある基礎です。 

コンクリートを流し込む職人さん
基礎コンクリート打設

基礎の型枠、鉄筋工事も終わり、コンクリートを流し込みます。
当日は午後から小雨の予報のため、早い時間からの打設となりました。
コンクリートの硬化は水和反応といって、セメントと水の化学反応で固まる性質を利用したもの。
なので晴天よりは曇りの方が良く、打設数時間後に小雨ならばなお吉ということ。
打設後は乾燥を防ぐためにブルーシートを覆って作業終了です。
とても丁寧なお仕事、基礎屋さんに感謝です。

構造材に墨付けをしています。
材に墨付け

 
木造伝統工法に関する本を教本として、構造材である土台、柱、梁や桁などに継手や仕口の墨付けをしていきます。
継手とは長さを増すために材を縦に継ぐ際に使う組み手手法、家具づくりで使うことはないので新鮮です。
材の反りには法則があり、どの場所にどの向きで使うかなど、確認しながらの作業です。

ノミを使っての刻み作業
構造材の刻み

 
いよいよ刻み(継手や仕口の加工)に入りました。
建築の刻み作業は今回初めてのチャレンジ。
知り合いの大工さんからお借りした角ノミ機の他、早く正確に加工ができるようルーターや丸ノコ用の冶具も 数種類作りました。

こども達も継ぎ手の刻みを体験中
見習い?

 
柱のホゾの面取り。ホゾ穴に入りやすくするよう、ホゾの角を少し削り落とす作業。
ノミを使うのはまだ難しいので小鉋を使って削るコツを息子たちに伝授。

接続部の壁材をはがしています
壁はがし

 
既存建物との接合部の壁材をはがします。
16年前に施工した珪藻土の塗り壁に触れ、当時の苦労を思い出します。
息子には板壁のはがしをお願いしました。
釘抜きの使い方を覚え、得意な様子で 頑張ってくれました。

土台の継ぎ手をはめ込む様子
土台敷き

 
基礎パッキンを敷いた上に桧の土台を乗せていきます。
写真は継手部分(腰掛け鎌継ぎ)をはめ込んでいるところ。
キッチリはまると気持ちのいいものです。

土台に柱を立てる
柱を立てる

 
土台に柱を立てます。
セルフビルドでは一日で上棟までなんていきません。
ゆっくりじっくり確かめて。

桁と梁をかける
桁、梁をかける

 
一般的にはクレーン車をチャーターするのでしょうが、
マイパースで進めたいし・・・今回はお金を使わず知恵を使おう!
ということで、滑車の原理を使い桁や梁を上げることに。
滑車を吊るすための三脚を根太材で作り、材の重心にロープを掛け、滑車のロープを引くと、 あら不思議!重たい桁と梁を軽く吊り上げることができました。

鼻隠しの取り付けの様子
鼻隠し

 
屋根面を受ける垂木(たるき)材の先端に、鼻隠し(はなかくし)を取り付けています。
垂木の先端のことを鼻というそうです。
鼻を隠す意匠のときにつける他、軒先にかかる荷重を分散させる役割もあります。
木造建築の構造は、青空に似合うんだ。

屋根の下地作りの様子
屋根の下地作り

 
屋根の下地、野地合板の釘打ち。
15cm間隔にひたすら釘を打つ作業。
「雪景色見ながら釘打ちなんてどう?」と子ども達を屋根に誘いました。
上の子はかなり上達しました。
下の子は釘抜きのほうが上達したようです。

屋根材を葺いているところ
屋根を葺く

 
アスファルトルーフィングという防水シートの上に
アスファルトシングルという屋根材を葺いています。
小さい増築ですが、それでも300枚を一枚一枚コツコツと…
根気はいりますが、アスファルトシングルは特別な道具も
いらないDIYには持ってっこいの屋根材です。

天井下地を組んだところ
天井下地を組む

 
天井仕上げ材(今回は羽目板張りの予定)の下地となる野縁を組みました。
格子状に組み、梁や母屋から吊ります。
その際、水平に組まずに中央を気持ち持ち上げて組むようにします。
今回は3mmほど。
水平に組むと、人の視覚では少し垂れて見えるそうで、そのようにするのが一般的なのです。

床組みの施工
床組み

 
床コンクリートスラブの上に束を置き、大引き材を水平に据え付けるのですが、床スラブには多少不陸(ふりく)があるため、束の位置ごとに高さを測り、束高さを調整、設置するのが一苦労でした。
(不陸とは建築用語で、水平ではないこと、凹凸があることなどを意味する言葉です。)
そのあと、大引きの上に根太をとめつけていきます。

今回、天井と床の骨組みを先につくり、ある程度空間をイメージできた段階で窓の大きさと高さを決めました。
心地よいショールームにするために・・・一般的な順番とは違いますが、作りながら変更・決定していけることが多いのは、セルフビルドの贅沢なところかもしれません。

息子と軒天杉板張り
軒天杉板張り

 
軒裏に杉の羽目板を張っています。
4mの板を一人で張れないこともないのですが、
休日に息子の手を借りて一気に張り進め・・・たいところですが、上を向いての釘打ちは容易ではないらしく、悪戦苦闘の息子。
でも背が高くなっていて、片側を支えてくれるだけで相当助かりました。

自作窓枠の取り付け
窓枠の取り付け

 
杉材で窓枠を作り設置しています。

杉の軒天板を塗装
軒天板の塗装

 
養蜂用の面布をしながら軒天板の塗装。面布邪魔なんですけどね、
塗料の匂いで、庭で飼っているニホンミツバチから追いかけられるといけないので・・・

石膏ボード張り
中と外で
外壁の塗装

 
外では杉板塗装。寒さ厳しい土地なので、内側は断熱材をみっちり充填。壁は石膏ボード。
こどもたちには、目立たない部分の外壁をちょっと塗ってもらいました。
塗装はムラになりやすく、意外と難しいのです。

杉の天井板を張る
板張り天井

 
外では杉板塗装。寒さ厳しい土地なので、内側は断熱材をみっちり充填。壁は石膏ボード。
こどもたちには、目立たない部分の外壁をちょっと塗ってもらいました。
塗装はムラになりやすく、意外と難しいのです。

無垢ナラ材のフローリングの施工
フローリングの施工

 
味わいのあるオークの無垢フローリングを一枚一枚張っていきます。
無垢の床材の施工にはコツと手間が必要ですが、木目や色味が少しずつ違い、ナチュラルな雰囲気に仕上がります。

石膏ボード下地に珪藻土塗り
珪藻土仕上げ

 
内壁は、また珪藻土で仕上げます。自宅も今までのショールーム部分も、ほぼ珪藻土の壁。
調湿作用があり、よごれや臭いを吸着してくれ、カビが発生しない。実感しています。

グレーの壁紙張り
壁紙

 
内壁は珪藻土ですが、一面だけグレーの壁紙を貼ってみました。
グレーは濃さによってだいぶ印象が変わるので、色選びは慎重に。

完成したショールーム 内部

完成したショールーム 東面

完成したショールーム 押し出し窓

完成したショールーム 外観
 

完成です。

シンプルに、いいと思う素材を選んで作った空間。
大きな木枠の窓は、景色を絵にしてくれる。

以前使っていた扉もきれいにして取り付けました。
これからやっと、ごほうびのようなレイアウトの時間。


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